今日は看護学校受験小論文を得意にするためのお話をちょっと詳しく
出題形式を知る
看護学校受験の小論文の出題形式は、大きく3つの形式があります。
1つ目は「タイトル型」です。いわゆる題だけを出して、答案を書かせるタイプの小論文です。
2つ目は「課題文型」です。これは文章を読み、その内容をふまえて答案を書かせるタイプの小論文です。
課題文が日本語というだけではありません。英語のこともあります。
「課題文型」はまず課題文の要約を求める場合が多いです。
3つ目は「図表・グラフ型」です。図表やグラフを見て、それについて答案を書かせるタイプの小論文です。
4つ目は「課題文型」と「図表・グラフ型」が融合したタイプの小論文もあります。
「図表・グラフ型」はまずそれらの読み取りを求める場合が多いです。
受験する学校が決まったら、必ず過去問を見て確認しておきましょう。
文字数と制限時間を知る
まず、文字数ですが、400字、600字、800字、1000字、1200字というところです。
制限時間ですけれども、60分、90分というところが多いです。
受験する学校が決まったら、必ず過去問を見て確認しておきましょう。
出題内容を知る
出題内容は、それこそ多岐に渡ります。
少しテーマ別に分類してみましょう。
まずは看護・医療のテーマからです。下記はほんの一例にすぎません。
「看護とは何か」「看護師の役割」「看護師としての心構え」「看護の倫理」「医療の倫理」「生命倫理」「生命とは何か」「生きるとは何か」「死とは何か」「脳死は人の死か」
「脳死臓器移植」「拒絶反応」「第1人称の死・第2人称の死・第3人称の死」
「感染症」「院内感染」「国際感染症」「パンデミック」「健康」「病気」「予防」「告知」「母性」「インフォームド・コンセント」「インフォームド・チョイス」「セカンド・オピニオン」「ターミナルケア」「ホスピス」「リヴィングウィル」「死ぬ権利」「安楽死と尊厳死」「悲嘆ケア」「生殖補助医療」「高度先進医療」「キュアとケアの違い」「医療と福祉の違い」「看護と介護の違い」「患者中心の医療」「自己決定権」「チーム医療」「地域医療」「在宅医療」「災害医療」「救急医療」「AEDの意義」「トリアージ」「五大疾患」「急性疾患と慢性疾患」「国民医療費」「国民健康保険」「医療保険」「国民負担率」「依存症」「うつ」「ジェネリック薬品」「プラシーボ」「ストレス」「受動喫煙」
「ヒヤリハット」「医療ミス」「医療事故」「細菌とウィルス」「抗生物質とワクチン」等
次に
(ⅰ)自分という存在について
「アイデンティティー」「自分らしさ」「個性」「自立」「自由」「主体的に生きる」等
(ⅱ)自分と他者との関係について
「家族」「親子」「友人」「コミュニケーション」「ことば」「共生」「平等」「協調性とは何か」など
(ⅲ)学校について
「教育とは何か」「学ぶということについて」「友人」「いじめ」「不登校」「ひきこもり」等
(ⅳ)労働について
「働くとはどういうことか」「仕事と育児の両立について」「女性の労働について」等
(ⅴ)自然環境について
「地球温暖化問題」「環境保護」「複合汚染」「ゴミ問題」「ゼロエミッション」
「グリーンコンシューマー」「ダイオキシン問題」「酸性雨」等
(ⅵ)科学
「科学とは」「生命科学とは」「生命科学と倫理」「ダブルユース問題」「シンギュラリティー」「AI」等
(ⅶ)文化
「日本の文化と西洋の文化」「異文化理解」「芸術とは何か」等
(ⅷ)社会
「高齢化社会」「高齢化率」「少子化社会」「合計特殊出生率」「人口維持水準」
「情報化社会」「国際化社会」「グローバル化社会」「格差社会」「ストレス社会」等
(ⅸ)福祉
「ノーマライゼーション」「バリアフリー」「福祉とは何か」「社会福祉」「自助・共助・公助」「介護保険」「パラリンピック」等
(ⅹ)その他
「ボランティア活動」「生きがい」「自己疎外」「愛と憎しみ」「権利と義務」「最近のニュース」「座右の銘」等
なお本年度は令和元年
新時代をテーマにした問題が出題される可能性が高いです
採点基準と評価が気になる
まず採点基準について。
・テーマを正しく理解しているか。
・看護師を目指す者としての視点で述べられているか。
・論点や論旨が明確であるか。
・文章が論理的に構成されているか。
・小論文の書き方、文章の表現が整っているか。
・一文が簡潔か。
・誤字や表記ミスはないか。
次に評価について。
小論文は具体的に「78点」とか「53点」というような評価が出せる科目ではありません。多くが「A」「B」「C」「D」「E」の5段階評価か、「A」「B」「C」の3段階評価が多いと考えられます。実際のところ「A」の答案は少ないと思います。5段階評価なら「B」と「C」、3段階評価なら「B」が最も多いと考えられます。結局、誤字や表記上のミスでチェックが入り、その数が多いと評価が下げられてしまうことになります。すなわち入試の小論文はミスのない答案が合格の絶対条件となります。ちなみに東京都立看護専門学校社会人入試の小論文では「A」「B」「C」の3段階評価です。「B」以上であれば一次試験合格です。
社会人看護受験生あるある(ⅰ)
まず最初に次のことを言っておきましょう。
それは小論文はなかなか勉強がしづらい科目であるということです。しかし、「社会人入試」となるとその「小論文」の出来で決まるといっても決して過言ではないのです。ですから、勉強しづらいからといってそのまま放置しておくわけにもいきません。また、いっそのこと当日出たとこ勝負で書けばいいと思っているようでは到底合格には届かないと思います。たとえば、難関校東京都立看護専門学校の社会人入試は90分で1200字を書かなくてはなりません。たくさん練習して十分に準備をしておかなければ合格はきわめて難しいと思います。さあ、いざいよいよその準備として、書店に向かい小論文の書き方のハウツー本を購入します。そして自宅か近所のカフェでパラパラとページをめくり読み始めるのですが、大概の人はそこで終わってしまうことが多いのではないでしょうか。いろんないろんな疑問が嵐のように押し寄せてきます。
社会人看護受験生あるある(ⅱ)
・「原稿用紙ってどう使うんだっけ」・「縦書き、横書きってどう違うの」・「句読点ってどう打つのかしら」・「カッコはどう使うの」・「!とか、?とかどうするの」・「今更ながら漢字が書けません」・「難しい漢字が書けなきゃ平仮名で書いてもいいのか」・「言葉、知らねえし」・「語彙力ないし」・・・おやおやそこですか。小論文以前の問題ですね。原稿用紙の使い方の初めから学習です。次は・「文と文章は違うの?」・「文と文をどうつなぐのですか」・「段落とは何ですか」・「改行するとはどういうことですか」・「論理的構成とはどういうことを言っているのですか」・「小論文って高校で習ったか?」・「文章の書き方なんて習ってないような気がする」です。さらに、・「高齢者って65歳以上のこと?」・「合計特殊出生率には%をつけなくてもいいんだ」・「自分で何が言いたいのかわかりません」・「長い文章は途中からテキトーに流してしまいます」・「日本語だからなんとかなると思っていました」・「そもそも合計特殊出生率って何のことですか?」・「介護と看護と同じかと思ってました」・「要約ってどうすればいいんでしょうかね」・「時間がかかってちっとも進みません」・「具体例なんて思い浮かびません」・「自分でも何を書いてんだか分かりません」・「私の書いていること、採点官に伝わっているのかしら」・「私は小論文に向いてません」・「最近の出来事何かありましたか?」・「新聞取ってません」・「ES細胞ってどんな細胞ですか?」・「倫理って何のことでしょうか」・「医療用語はわかりません」・「感想文とは違いますよね」。「小論文と作文とはどう違うのでしょうか」・「事実と主観を分けて書くってどういうことですか」・「事実の書き方ってあるのですか」などなどです。振り返れば中学校や高等学校の小論文なんてほとんど何もやらないまま現在まで来られたと思います。ですから、いまさらやれって言われても、どだい無理な話です。さらにはこういう声も耳にします。
社会人看護受験生あるある(ⅲ)
・「小論文はどうやって勉強すればいいの?」・「もう出たとこ勝負でやるか」・「テキトーになんか書いて出そう」。看護受験の入試小論文、なんとかしなきゃと思い悩むのですが、なすすべもなく時間だけすぎていきます。ヤル気も出ず。出るのはタメ息ばかり・・・こうして全く何もやらないまま終わってしまう人が多いのではないでしょうか。しかしその一方ではこんな人もいらっしゃいます。「自分の答案、これでいいのかしら?」「誰か添削してくれないかしら」。そうです。小論文の力をつけるためには、書く練習もさることながら、添削を受けるということも重要なのです。ある社会人看護受験生がご主人に読んでもらったそうです。ボロクソに言われて夫婦喧嘩になったそうです。書く練習と添削、この2つを同時に満足できる良い方法はないものか・・・・あれこれ悩んでいると、ある時ふと名案が頭にひらめきます。
社会人看護受験生あるある(ⅳ)
その名案とはなんでしょうか。それは「通信添削講座」です。「通信添削講座」ならカリキュラムもあり、それに任せて練習すればいい。添削もしてもらえるし。イイことに気付いたような気になります。さっそく資料を取り寄せ、申し込みます。まもなくテキスト教材が自宅に届きます。答案を作成して本部に送れば、添削された答案が講評と一緒に自宅に返却される。質問制度もあり。たしかに「通信添削」は有り難いです。しかし難点は「継続」が難しいことです。これも初めは頑張ってやり始めますが、最後までやり抜いた社会人看護受験生は少ないでしょう。いやほとんどいらっしゃらないはずです。かくいう私も受験生時代に某通信教育をやりましたが、問題冊子ばかりが溜まるだけでした。「通信添削講座」で成功する社会人も少ないと思います。
社会人看護受験生あるある(ⅴ)
となると、原稿用紙の使い方や小論文の書き方などをゼロから教わり、さらには添削も受けられるところがよいという考えにたどりつきます。すると「学習塾」か「予備校」です。「学習塾」ですと「個別」とか「少人数」とかが目を引きます。「予備校」となると「大教室」での講義形式が中心となります。「学習塾」は家の近くで通いやすい所が長所でしょうか。一方「予備校」となると大きな駅の周辺で、わざわざ出向くことになりますね。講師との距離はどうでしょうか。「個別」「少人数制」の場合、講師と自分との距離は近いでしょう。質問はしやすい環境です。「予備校」ですと講師と自分との距離は遠いといったほうが良いと思います。質問もなかなかしにくい環境です。いつでも質問に応じてくれる態勢にあるかという点も塾選び・予備校選びには大きな要素となるでしょう。また「時間割」という点も壁になるかもしれません。「学習塾」「予備校」は「時間割」があって、すでに決まった曜日と時間帯の枠の中で授業が行われていきます。お仕事をもっている社会人、シフト制で仕事をしている社会人には通いづらいと思います。「個別」ですと少しは融通がきくかもしれません。しかしそれも講師の先生の都合と擦り合わせていかなければなりません。自分の時間を優先すれば、講師がその都度変わることになります。逆に同じ講師をお願いするとしたらお月謝が割高になるということもあるでしょう。現実問題「学習塾」や「予備校」はあくまでもビジネス(お金儲け)でやっているところですから、そこは致し方がないと思います。ビジネスという点では、学費の納付額の高さがあります。安いというところは少ないかもしれません。また納入方法もほとんど全額を前納するというところが多いです。まあ分納、分割、ローンという方法もありますけれども、学費をどうするかについても頭を悩ます材料になります。また「学習塾」「予備校」は入学時期がほぼ4月に集中していることも壁の一つになるでしょう。5月に思い立っても、もう入学できないということになるのです。もうひとつ、添削答案が戻ってくる時間も気になります。返却までに時間が掛かるようでは、添削を受けている意味がありません。そして最大のポイントはは看護や医療のことを知って指導や添削を行ってくれているかです。実際は看護や医療のことなど全く何も知らない講師が指導や添削を行っているのが現実です。そうすると結局、見当違いの指導や、トンチンカンな添削になってしまうのです。
それではどうするか?
ズバリ「看護・医療を熟知している所で、小論文指導を受け、答案添削をしてもらう」ことです。入学試験の問題というものは、「ただ出題すればいいでしょ」という問題ではありません。入学試験の問題には、こういう学生を採りたいというその看護学校の意志がはっきりと表れているです。受験生の側から言えば、「ただ答案が書ければいいでしょ」という問題では決してないのです。実は医療の現場は文章を書くことが多い現場なのです。患者記録、看護記録、看護過程、看護計画、看護アセスメントなど、特に看護師は文章を書く場面が非常に多いのです。したがって小論文の答案は主観的な情報と客観的な情報をどう書き分けるかなど、臨床で使える人か、使えない人かが評価され、見極められてしまっているといってもよいのです。。また文章には書いた人の人柄が丸々出てしまいます。医療に向く適性をお持ちか、看護に向く適性を有しているか、それらも見抜かれてしまうのでさらに、現代は医療を取り巻く環境もたいへん厳しくなってきています。医療事故等が発生したら、看護記録等が証拠として提出を求められることも起きています。その記録の記載のされかたいかんによっては看護師の責任が追及されることにもなるのです。自分の身を守るためにも正しい文章の書き方を身につけていかなければならないのです。じゃあ、どうやって探すか。現代はネットの社会。片っ端からネットで検索して探してみましょう。ここはと思ったら実際に出向いて話を聞いたり、体験授業を受けてみたりすることです。そうやって具体的に動いて、実際にあなたが感じ、ここならやれると思ったところで、小論文の学習をスタートさせていきましょう。お金と時間をかけるわけですから、納得して通える所を探して下さい。最後に一言、塾選び・予備校選びのポイントは、あなたの話をまずしっかり受け止めてくれるかどうかも大切です。返事がテキトーな所には行かない事です。そうそう、小論文をたくさん練習させてくれるところがあれば最高ですね。
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