看護学校受験数学を得意にするには

①出題範囲を知る

看護大学も看護専門学校も、「数Ⅰ」だけか、もしくは「数Ⅰ・数A」です。「数Ⅰ」と「数A」はともに高校1年生で習う数学です。ちなみに「数Ⅰ」だけを出題するところは、たとえば東京都立看護専門学校があります。一方「数Ⅰ・数A」のところは、杏林大学医学部付属看護専門学校や済生会宇都宮看護専門学校などがあります。具体的な受験校が決まれば必ず募集要項で確認してください。

②出題形式を知る

「マーク式」と「記述式」があります。先に紹介した東京都立看護専門学校は「マーク式」です。一方、東京新宿メディカルセンター付属看護専門学校・東京山手メディカルセンター付属看護専門学校、杏林看護専門学校や済生会宇都宮看護専門学校は「記述式」です。「マーク式」は正解を選択肢の中から選び、マークシートの番号を黒鉛筆で塗りつぶします。もうひとつの「記述式」は正解に至る途中の式も含めて、指定の解答欄に書き上げていきます。

③出題項目を知る

「数1」は大きく「数と式」「2次関数と2次方程式」「三角比」「データ分析」です。なお平成27年度から新課程入試が始まり「データ分析」が新しく導入されました。社会人の中には履修していないかたも多いのではないでしょうか。
「数A」は「場合の数」「確率」「図形の性質」「整数の性質」です。
いわゆる「正の数、負の数」「式の展開」「因数分解」「絶対値」「根号」などは「数1」の「数と式」の範囲です。また「順列」「組合せ」などは「数A」の「場合の数」に含まれます。

④社会人看護受験生あるある(ⅰ)

さてそれではここからは、ごくフツーの社会人が看護学校を受験しようと決意し、受験数学の勉強を始めた時によくぶつかる様々な壁や落とし穴についてお話ししたいと思います。

まず社会人看護受験生が受験を思い立ったら書店の学習参考書のコーナーに足を運びます。次は急いで分厚めの受験参考書と問題集を購入し、自宅かカフェかで「自力で」「自己流で」取り組もうとします。この流れがまさに「社会人看護受験生あるある」です。思い立ったら即行動。それは決して悪いことではありません。しかし問題はここからです。社会人看護受験生の多くは以下のような本音をつぶやきます。ありったけ紹介しましょう。

社会人看護受験生あるある(ⅱ)

「(   )を外すとき(   )の前にマイナスがついていたらどうなるの」
「そもそも正の数や負の数のことががわかってない」
「展開ってどこまでやったらいいのかしら」
「降べきの順、どう読むの」
「因数分解の因数って何のことですか、分解ってなんですかね」
「たすきがけって何のことですか」
「ルートに記号が出てきたら頭の中が真っ白になる」
「根号とかルートとかどういう事なの?」
「有理化と有理数はどうちがうの」
「有理数と無理数って何?」
「絶対値ってなんだ」
「場合分けってどうしたらいいのですか」
「平方完成はどうしてああなるの」
「軸?」「頂点?」
「凸、これ漢字ですか。なんて読むのですか?」
「下に凸とありますが、下なら凹ではないのですか?」
「最大値、最小値を求めよの意味がよくわかりません」
「方程式、不等式の言葉の意味を教えて下さい」
「数直線を書いてからどうするのですか」
「kは実数の定数って意味わかりません」
「判別式って何ですか教えて下さい」
「sin、cos、tan、ちっとも意味がわかりません」
「正弦定理、余弦定理ってわかりません」
「内接円、外接円ってどんな円ですか」
「ヘロンの公式って初めて聞きます」等々。

振り返れば中学校や高等学校の数学なんて、赤点を取らない程度に流してきたにすぎません。ですから、いまさらやれってどだい無理な話です。さらにはこういう声も耳にします。

社会人看護受験生あるある(ⅲ)

「小数点の掛け算や割り算が出来ません」
「分数の足し算、引き算、掛け算、割り算が出来ません」
「通分ってなんでしたっけ?」
「約分ってなんでしたっけ?」
「食塩水の問題がわかりません」
「実は小学校算数からわかっていません」
「ホントは九九も怪しいです」
「仕事算とか通過算とかわかっていません」等々。

それでもなぜだかヤル気だけはあるのです。ガムシャラに参考書の頁をめくり、問題集を解こうとします。うまくいくときもありますが、それも初めのうちだけです。だってだんだん難しくなっていきますから。いつのまにか時は過ぎ、やがて季節は変わり、分からないことだけがどんどん増えていくのです。こうして「自力」「自己流」でやろうとして半年や1年、棒に振ってしまう社会人看護受験生は多いと思います。もっと問題を絞り込んでやれないか、効率よく数学の勉強をやれないものか。あれこれ悩んでしまうものです。何かいい別の方法はないものか・・・

社会人看護受験生あるある(ⅳ)

その別の方法とはなんでしょうか。それは「通信教育」です。「通信教育」ならカリキュラムもあり、それに乗っかってやればいい。イイことに気付いたような気になります。さっそく資料を取り寄せ、申し込みます。まもなくテキストとプリントが自宅に届きます。答案を作成して本部に送れば、添削された答案が講評と一緒に自宅に返却される。質問制度もあり。たしかに「通信教育」は有り難いです。しかし難点は「継続」が難しいことです。これも初めは頑張ってやり始めますが、最後までやり抜いた社会人看護受験生は少ないでしょう。いやほとんどいらっしゃらないはずです。かくいう私も受験生時代に某通信教育をやりましたが、問題冊子ばかりが溜まるだけでした。「通信教育」で成功する社会人も少ないです。

社会人看護受験生あるある(ⅴ)

となると数学の分からないところは誰かに教わったほうがよいかという考えにたどりつきます。すると「学習塾」「予備校」です。「学習塾」ですと「個別」とか「少人数」とかが目を引きます。「予備校」となると「大教室」での講義形式が中心となります。「学習塾」は家の近くで通いやすい所が長所でしょうか。一方「予備校」となると大きな駅の周辺で、わざわざ出向くことになりますね。講師との距離はどうでしょうか。「個別」「少人数制」の場合、講師と自分との距離は近いでしょう。質問はしやすい環境です。「予備校」ですと講師と自分との距離は遠いといったほうが良いと思います。質問もなかなかしにくい環境です。いつでも質問に応じてくれる態勢にあるかという点も塾選び・予備校選びには大きな要素となるでしょう。また「時間割」という点も壁になるかもしれません。「学習塾」「予備校」は「時間割」があって、すでに決まった曜日と時間帯の枠の中で授業が行われていきます。お仕事をもっている社会人、シフト制で仕事をしている社会人には通いづらいと思います。「個別」ですと少しは融通がきくかもしれません。しかしそれも講師の先生の都合と擦り合わせていかなければなりません。自分の時間を優先すれば、講師がその都度変わることになります。逆に同じ講師をお願いするとしたらお月謝が割高になるということもあるでしょう。現実問題「学習塾」や「予備校」はあくまでもビジネス(お金儲け)でやっているところですから、そこは致し方がないと思います。ビジネスという点では、学費の納付額の高さがあります。安いというところは少ないかもしれません。また納入方法もほとんど全額を前納するというところが多いです。まあ分納、分割、ローンという方法もありますけれども、学費をどうするかについても頭を悩ます材料になります。最後に「学習塾」「予備校」入学時期がほぼ4月に集中していることも壁の一つになるでしょう。5月に思い立っても、もう入学できないということになるのです。ある社会人の事例をご紹介しましょう。40代後半のかたです。数学が苦手でいらっしゃいました。そこで数学専門の塾へ入り、数学の補強されたそうです。そこでの勉強の甲斐があって、数学の力はついたそうです。しかしその数学の専門塾では、看護学校の受験情報など全く手に入らず、とんちんかんな受験をし、ひとつも合格出来なかったとのことでした。実はここが最大の壁であるといえるでしょう。それはすなわち「看護学校の情報」です。その「看護学校の情報」というものも数学の学力向上と同時に必要なのです。言い換えると「看護学校」が受験生に求めている「数学」の学力というものがあるのです。その上で先にあげた数学の「わからない箇所」を一つ一つ丁寧に指導してくれる所があなたの探すべき所なのです。

それではどうするか?

ズバリ「看護学校の受験数学を熟知している所で、数学を基礎から学習すること」です。入学試験の問題というものは、「ただ出題すればいいでしょ」という問題ではありません。入学試験の問題には、その学校のこういう学生を採りたいという意志が表れているのです。受験生の側から言えば、「ただ解ければいいでしょ」という問題でもないのです。たとえば新課程の「データ分析」。これは「統計学」に通じます。「統計学」的な考え方はいま臨床では大変重要視されている考え方です。「わからない」では取り残されるだけです。もっと基本的なところでは、「食塩水の濃度の問題」があります。臨床では、「溶液の濃度を何%から何%に薄めて」とよく要求されます。モタモタしていると「あの人は使えない」ということになってしまいます。数学を勉強しておくということは、将来に向けて準備をしておくということに他ならないのです。さきのことまで視野に入れてあなたをしっかり指導してくれる所を探すこと、それが数学学習を始める際の絶対条件です。じゃあ、どうやって探すか。現代はネットの社会。片っ端からネットで検索して探してみましょう。ここはと思ったら実際に出向いて話を聞いたり、体験授業を受けてみたりすることです。そうやって具体的に動いて、実際にあなたが感じ、ここならやれると思ったところで、数学の学習をスタートさせていきましょう。お金と時間をかけるわけですから、納得して通える所を探して下さい。最後に一言、塾選び・予備校選びのポイントは、あなたの話をまずしっかり受け止めてくれるかどうかも大切です。テキトーな所には行かない事です。

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